探索18日目

探索18日目（2007年9月10日頃？）の日記です。

掲載し忘れていました。

拝啓

風がすっかり秋めいてきましたが、お元気ですか。

最近は月も星もなんだかとても良い匂いがします。
夏の終わりには涼しげで嬉しかった虫の羽音もうるさいぐらいで…
…でも、慣れてきたのか今はよく眠れます。

私はそれなりに、頑張っています。
生傷が絶えないけど、怪我の時どうすれば良いか
何となく分かってきました。

でもね。
今成り行きで一緒にいる二人に、どう話しかけていいか分からないの。
どうしたらいいのかな……。
怪我より、心の方が痛いよ。

怪我の治療はあーやも手伝ってくれるけど、
心が痛む時は誰にも言えないから。

どうして一番伝えたいことばかり素直に言えないのかな。

本当は、二人ともっともっと話がしたくて、
伝えたいことも聞きたいこともいっぱいあって、
「大好き」だって伝えられたらどんなに良いだろうと、思う。
でも、話しかける時二人の反応が怖いんです。

猫に齧られた小鳥の死体が怖くて、傍から離れられなくて、目が離せなくて
私は敵じゃないって分かってもらうために、仲良くしようと頑張って
両手で包み込んで、見つめて、そっと口づけた時みたいに。

闇が怖くて、逃げられなくて、どうしたら殺されないかって悩んで
仲間に入れてもらうために真っ黒なドレスに身を包んで
それに合う化粧を覚えて、その格好に見合う振舞いを学んで
いつも死ぬことばかり考えていた頃みたいに。

何かしらの方法が思いつけば良いのに。
何も思いつかないんだ。私、馬鹿になっちゃったのかな…？

お母さん、早く会いたいです。どこに行けば会えますか？
お母さんがまた抱きしめて「大好き」だって言ってくれる日を夢見ています。

敬具