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”これは日々退屈を感じている諸君への招待状。それは不思議な島の遺跡。島を出れば遺跡で手にした財宝は消える、しかし七つの宝玉があれば消えない、宝玉は遺跡の中。島はエルタの地より真南の方向、素直に信じる者だけが手にできる財宝―――胡散臭いですかなっ?ククッ・・・ 疑えば出遅れますよ、パーティーはもう始まっているのです。”
胡散臭いに決まってるじゃない。
事実、あたしは元々こんなところに来るつもりはなかった。
財宝探しだとか遺跡とか、そんなものには興味ないから。
――島に着いて2日目。
あたしは何度読み返したか分からないその招待状を破り捨てた。
……2秒でちゃんと拾っ たけど。
自分のゴミは自分で持ち帰らないとね。お母さんが哀しむ。
あの金庫さえ開かなければ、こんなところには来なかった。
気づいたらいなくなってたお母さんの残した、小さな金庫。
中にはたくさんの手紙と、日記と、母子手帳。
大嫌いだったお母さんの残した物を、全部壊したいだけだった。
あたしを捨てて蒸発した癖に。
なんでお父さんの心にいつも影をさして、家の中から雰囲気が染みついて消えないの?
こんな開きもしない金庫なん て残して、なんの役にも立たないのに。
お父さんが無くしたと思っていた金庫の副鍵は、あたしのクマのぬいぐるみの首にくくりつけられていた。
金色の小さな鍵を差し込んで回しただけで、開かずの金庫はいとも簡単にその封印を解いた。
お母さんの残したたくさんの日記。
あたしがお腹にいる時からずっとつけていた母子手帳。
1週間かけてお母さんの子どもみたいな癖字を追って、分かったこと。
この胡散臭いパーティーとやらに乗ってやれば、お母さんが何故消えなければならなかったのか、その真相が分かるかもしれない。
招待状に書かれた筋書きは、お母さんの影が辿った道に似ているから。
もしかしたら。うまくいけば。
お母さんと、また昔のように一緒に暮らせるようになるかもしれない。
もしかしたら。うまくいけば。
お母さんの影と、遭遇できるかもしれないから。
お父さんの買い漁った研究資料や古い本を片っ端から読んでいて、ふとそう考えた。
素直に信じる者だけが手にできる財宝なんて、おまけでしかない。
私の目的、それは――
胡散臭いに決まってるじゃない。
事実、あたしは元々こんなところに来るつもりはなかった。
財宝探しだとか遺跡とか、そんなものには興味ないから。
――島に着いて2日目。
あたしは何度読み返したか分からないその招待状を破り捨てた。
……2秒でちゃんと拾っ たけど。
自分のゴミは自分で持ち帰らないとね。お母さんが哀しむ。
-------------------------キリトリ-------------------------
あの金庫さえ開かなければ、こんなところには来なかった。
気づいたらいなくなってたお母さんの残した、小さな金庫。
中にはたくさんの手紙と、日記と、母子手帳。
大嫌いだったお母さんの残した物を、全部壊したいだけだった。
あたしを捨てて蒸発した癖に。
なんでお父さんの心にいつも影をさして、家の中から雰囲気が染みついて消えないの?
こんな開きもしない金庫なん て残して、なんの役にも立たないのに。
お父さんが無くしたと思っていた金庫の副鍵は、あたしのクマのぬいぐるみの首にくくりつけられていた。
金色の小さな鍵を差し込んで回しただけで、開かずの金庫はいとも簡単にその封印を解いた。
お母さんの残したたくさんの日記。
あたしがお腹にいる時からずっとつけていた母子手帳。
1週間かけてお母さんの子どもみたいな癖字を追って、分かったこと。
この胡散臭いパーティーとやらに乗ってやれば、お母さんが何故消えなければならなかったのか、その真相が分かるかもしれない。
招待状に書かれた筋書きは、お母さんの影が辿った道に似ているから。
もしかしたら。うまくいけば。
お母さんと、また昔のように一緒に暮らせるようになるかもしれない。
もしかしたら。うまくいけば。
お母さんの影と、遭遇できるかもしれないから。
お父さんの買い漁った研究資料や古い本を片っ端から読んでいて、ふとそう考えた。
素直に信じる者だけが手にできる財宝なんて、おまけでしかない。
私の目的、それは――
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